こんばんは、ツクシです。
私はこういったお仕事をしているので「仕事中ずっとゲームしてない?」と言われるくらいスマホゲームをたくさんプレイしているのですが、最近妙に「開幕メンテ地獄」が多い気がします。
直近で言えば当サイトでもご紹介した『スピードラッシュランナーズ』が開幕早々メンテ地獄に突入しましたが、他にもプレイすればすぐわかるような不具合が目に見えて増えています。
そこで今回は、ざっくりとしたゲーム業界の推移とテストやってない説について解説いたします。
ゲームを売る目的の変化
インターネットがまだゲームと結びついていない時代(〜2005年)、ゲームソフトは現在のようにアップデートする事がそもそもできないので完璧な状態で出荷する必要がありました。
ゲームソフトが完全な物販で、もし不評が立ち売れ残ってしまえば単純に売上ができないどころか大量の負債を抱える事になるので、当時バグや不具合は可能な限り徹底的にテストするのが当たり前です。
2005年頃から家庭用ゲーム機とネットが結びつくと、バグや不具合はアップデートデータをダウンロードする事で解消し、ゲーム内で使える新要素をダウンロード販売する形式も生まれました。
そして2006年に任天堂がゲームソフトそのものをダウンロード販売し始め、ゲームはネットでデータとして購入でき、アップデートや追加要素を購入できる仕組みが当たり前になっていきます。
スマホが普及し始めると、当初は無料体験版と買い切り有料版を同時にリリースするゲームが登場し、数年もするとダウンロード無料で課金要素で稼ぐタイプのゲームが溢れかえるようになりました。
この流れを日本で大きく牽引したのは言わずと知れた『パズドラ』で、スマホ特有のパズルとRPGを融合したゲームシステムと、ガチャで魅力的なキャラクターを引かせる雛形が完成します。
ゲームは物販からDL販売へ移行し、アップデートできるようになったので発売時に完璧さを求めなくても良くなり(本来良くはない)、開発からリリースまでの敷居がかなり下がりました。
悪く言えば「ある程度バグや不具合があっても後から直せるから平気平気」というスタンスになり、以前の完璧なゲームを提供するという意識は現ゲーム業界でかなり薄れテストが疎かになっているワケです。
そしてゲーム会社の利益獲得方法が「ゲームを買ってもらう」から「ガチャを回してもらう」に切り替わった事により、ゲームの面白さよりもいかにガチャを回させるかが重視されるように。
そんなガチャで稼ぐソシャゲは開発に数億円規模の資金と継続開発でどんどん資金が必要になるので、以前のゲームソフトとは比較にならないほど費用がかかります(※下図参照)。
ゲームハード | 開発費 | 継続開発費 |
ファミコン | 1,000万 | ー |
スーファミ | 3,000万 | ー |
PS | 1億 | ー |
PS2 | 2〜3億 | ー |
ソシャゲ | 1〜5億 | 月3千万程 |
ソシャゲはその性質上高性能なサーバーを開発時期から運用しなくてはならず、イベントや追加キャラクターもどんどん作らなくてはならないのでリリースが遅れた分だけ純粋に費用が増えてしまいます。
なので最低限基礎が問題なく動く事を確認するテストを実施し、後からアップデート対応できるのを良い事に初期のゲームプレイヤーでテストを行なっているのではないでしょうか?
早く公開して稼ぎたい▶︎テストはプレイヤーの報告などで確認▶︎致命的な不具合発見▶︎メンテ突入▶︎どんどん問題が見つかる▶︎メンテ地獄へ…という構図が出来上がるワケですね。
本末転倒な結果に見えますが、テストをプレイヤーにさせる事でテスト費用がまるまる浮きますし、メンテ前後でもガチャは回せるのである程度売上は出るでしょうから、こうした手法を採用するソシャゲ運営が増えるのも納得ですね。