他人事じゃない!大阪府警が無関係の男性を誤認逮捕した影響


こんばんは、ツクシです。

今や世界中で誰もがスマホを持つ時代、以前はPCで盛んだったSNSもスマホでリアルタイムで使えるようになり、多くの人が日々SNSで何らかの投稿や情報閲覧などを行なっています。
今年春にそのSNSで女性を脅迫・強要未遂・リベンジポルノ防止法違反の疑いで20代男性が逮捕されましたが、後に誤認逮捕である事がわかったものの男性が負った被害は甚大でした。

そこで今回は、SNSが原因の誤認逮捕が持つ意味と他人事ではない危険性について解説いたします。

 

 

誰にでも起こりうる危険

まずは今回の事件を簡単に時系列で確認します。

3月21日何者かが女性脅迫用のSNSアカウント作成
3月下旬男性の知人女性がSNSで脅迫などの被害を警察に訴え
4月7日・8日警察が男性に電話で警告する
4月12日男性が脅迫・強要未遂の疑いで逮捕される
5月2日男性がリベンジポルノ防止法違反の疑いで再逮捕
5月23日男性が処分保留で釈放
釈放後捜査で男性が関与していなかった事が判明
7月10日警察が男性に謝罪・誤認逮捕を発表

男性が知人女性からSNSを利用した脅迫や強要未遂、リベンジポルノ防止法違反で計2回逮捕され、42日間勾留の末に釈放されたものの後に男性が無関係である事がわかった、という経緯です。

男性の逮捕については「女性が男性から送信されたものと訴えた」「女性を守る緊急性を重視」した結果としており、逮捕時点で当該SNSアカウントのIPアドレス照会が済んでいなかった事が明らかとなっています

https://mainichi.jp/articles/20230711/k00/00m/040/327000c

このIPアドレス照会とは一般人が行う発信者情報開示請求の警察版で、捜査関係事項照会書という文書で直接サービス元やプロバイダに情報開示を行います。

通常発信者情報開示請求は6ヶ月から7ヶ月とかなりの時間を要するのですが、捜査関係事項照会書を使えば裁判所を挟まないため、今回の件の時系列を見てわかる通りかなりの短期間で情報を取得できる事がわかります。

また男性が逮捕された大きな原因の1つが、女性に脅迫などを行なった複数アカウントの一部に男性の苗字が含まれていたという、誰が見ても証拠になりえない点です。

犯罪を行うような人物が果たしてアカウントに自分の本名なんか入れるでしょうか?まずありえないですし、なりすましアカウントで男性に罪を着せようとしているような素振りさえ感じますね。

結果的に男性は不当に42日間勾留され、職場も逮捕後に休職を余儀なくされている事から職場でよからぬ噂を立てられている可能性もあり、そのまま職場復帰するには勇気がいるでしょう。

また男性は取り調べの様子をノートに残しており、警察が「犯人はあなたしかあり得ない」検察が「100%犯人だと思っている」と迫り、ろくな証拠もない無関係な人間を犯人と決めつけて取り調べている事がわかっています。

そしてこれは私たちにとって他人事ではなく、SNSアカウントに本名や本人を匂わせるIDや名前のなりすましアカウントを用意すれば、誰でもこうしたSNS犯罪の犯人に簡単に仕立て上げられる可能性があります。

警察や検察にSNSやITに詳しい人間がいないのかはわかりませんが、こんな実質証拠もない状態で42日間勾留され脅迫めいた自白を促す取り調べが行われる、それが誰にでも起こり得るというのは恐怖でしかないでしょう。